ソードワールドTRPGオリジナル外伝

 後編

「大丈夫かなぁ・・・二人とも」

ワーワーわめくエルシアを抱いて洞窟の入り口に出てきたシャウル

「僕も何か技能習得したいなぁ・・・こうゆう時足手まといになるのやだし・・・」

助けられないのが歯がゆく、二人をサポート出来るような技能は何か考えていると

洞窟の奥から

「おーーーい!シャウルー」

とシュティルの声が聞こえてくる

「え・・・どうしたの?勝ったの?」

「いや。今からグラードのおじさん呼びに行って来る・・・かなりヤバめなんだ」

と息を切らせて報告するシュティル

「え?そんなに強いモンスターだったの?どうしよう。僕が呼びに行ってくるからシュティルは

もう一度もどって援護した方がよくない?二人掛りでヤバいんだったら一人にしておくのは

もっと危険だよ」

といいつつ、戻る準備をするためエルシアを地に下ろす

するとその手を振り切って洞窟へと走り入って行くエルシア

「あ!!エルシアちゃん!!!」

あわててエルシアの後を追うシュティル

シャウルは町へと走り出す

「エルシアちゃん。まってよ」

今しがた洞窟の奥から全力で帰ってきたシュティルを

かなり身が軽いのか、ひょいひょいと岩と岩の間に入りこみシュティル達の

体格では到底入れないような近道をいき、どんどん引き離していく

(あの子・・・本当に二歳なの?)

などと思うシュティルであった

光が差しこんでくる。先ほど兄と引き離された場所まで来たのである

「にいたぁん」

両手を目一杯広げて光の方へと駆け寄って行く

しかしそこには誰もいなかった

「にいたん?ふえっ・・・ふえ〜〜〜〜〜んにいたぁぁぁん」

泣きだししゃくりはじめる。自分の上に影が差してるとも気づかずに

「エルシア!!」

岩影で身を隠していたグラードはエルシアがクモに襲われそうになっているのに気づき

手を差し伸べる

「にいたん」

パァッっと嬉しそうな顔をするとグラードの元に駆け寄って行く

そこへ大クモモンスターの足が振り下ろされる

「エルシアーーーーーーーー!!」

ガン!!

何事が起きたのか、理解できずにいる。頭の端が痛い、目がかすれてはっきり見えない

「エ・・ルシ・・ア・・・ぶじ・・・」

かすかに声が聞こえる。

 

「グラード!!エルシア!!」

ガチャガチャと鎧をならし、背中に大検をしょってシャウルの案内で近寄ってくる父

岩の影で倒れてるエルシアに気づき、抱き上げて軽く頬をたたく

「エルシア?大丈夫か?」

「・・・?・・・ぱ・・・ぱ・・・?」

むにゃむにゃと眠そうに答えるエルシア

「無事だったか・・・」

安堵のため息をつく

「?あーよパパァ・・・にいたんはぁ」

いつもの朝のように挨拶をしてグラードの居場所を求めるエルシア

「一緒にいたんじゃないのか?」

驚愕の顔でエルを見つめる父の顔を解らないといった顔で覗きこむエルシア

「あれ?ここどこ?」

キョロキョロ当たりを見渡すエルシア。どうやら今日一日の記憶をなくしてしまったようで

何も覚えていない

「まさか・・・」

最悪の状況が浮び、あわててシュティル達に詳しい事情を聞く。町に滞在する冒険者や

技能を持っている町人に協力を仰ぎ、洞窟のいっせい捜査を開始する

しかしグラードらしき人影が見つからなかったので

状況から考えてもグラードは死んだということになってしまった

 

そして、エルシアが3歳になったある日

「グラードの死を嘆いてばかりは居られない!!エルシア」

とエルシアを呼びつける

「あい?」

「エルシア、今日からお前に剣を教えてやろう」

と枝を渡す

「けん?」

「それから「エルシア」という名は剣士として優しすぎるな・・・

そうだ!お前は今日から[エルファーズ]だ。いいな」

険しい顔つきでエルの目をジッと見る

「?えるふぁーずってなに」

「今日からのお前の名前だ!いいか、グラードの変わりに生きるんだ!誰にも負けない

剣士になるのだぞ」

グラードという後継ぎを失い、嘆き、エルシアを男として育てて心をまぎらわす方法を

選んだ父・・・えらい迷惑である

「エル。つよいの〜」

のーてんきに答えるエルシア。その日からつらく厳しい剣の修行と男としての生活が

始まる

 

そして、18歳のある日

「だーーーーーー!!3年も旅に出るの遅らせたのに今更何言ってんだよ!!」

完全に男口調で喋るエルシア。今はエルファーズである

「しかし,今のレベルでは・・・」

16年前を思い出しながら困惑の表情を浮かべる父

「・・・あのなぁ・・・こんな町に閉じこもってても強くなんてなりゃしねぇよ。じゃあな、あばよ」

さっさと出ていってしまう。

その先にはソーサラーのレベルを上げたシュティルとシャーマン技能を会得したシャウルと

もう一人、町の女の子でレンジャー技能とプリースト技能を修得しているティクスが待っていた。

「わりい。出かけに親父がぐずりやがってよ」

といいつつ仲間と共に待ちを出て行くエルファーズを見送りながら

自分の都合のみでエルファーズに育ててしまったことを後悔する

エルシアがグラードではない・・・エルシアなのだと

次に帰って来たときにはそのいきさつをすべて話して選択させようと考える

自分の道を・・・


★あとがき★
・・・なんなんだ。この終わり方は・・・とりあえず終わらせたという感じで上手くまとまって
ねぇでやんの(;;)エルファーズの過去話ですがどうでしょう。
って聞くだけ無駄って気がしますね・・・この文章力では・・・
あの大グモが描けなくって漫画にするのを断念したんですよ
この話し・・・そこのところでまず情けないですね。
ティクスですがこいつはちゃんとキャラシートのあるキャラクターです
「コンコンコンベンション」という名のコンベンション行った時に
作ったキャラなんですよ。スリング武器に戦うプリーストレンジャー
でした。まぁ、また色々物語り作ろうと思いますんで、これに懲りずに
読んでやってくださいね。


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