オリジナル小説  第3話

でも、私にはテレパスすら使えない・・・どうすればいいの?

「本気じゃない・・・だと・・・」

苦痛に顔を歪めながらダークに問う。相変わらず癒しの魔法を使いながら・・・ 

かなり酷い怪我らしい 

「まぁな・・・てめぇごとき倒せねぇでこの世界の神族とやらを倒すことなんぞできねぇだろ」 

もっともな意見かもしれないけどなんか腹立つ・・・ 

「それより早くその神族とやらを出した方が身のためだぜ、どう頑張ったってお前程度で勝てるはずないだろ?」 

出してあんたなんかやっつけたいのは山々だけど・・・だけど・・・ 

「まだ見つけてない・・・と?もしくは見つけても弱虫だったとかな」

えっ?

「何驚いてんだよ。思考を読むくらい簡単だろ?さっきもやったし。まぁそっちの兄ちゃんはガードかけてるようだけど」

あああっ。

「で、君って何する人?」

私の後ろから声がする。

「佐藤くん?」

「俺か?俺は・・・まぁそうだなここを手に入れるための戦闘員といったところか」

佐藤くんに向かって質問を返すダーク

「それってこの学校の人達をどうにかするってこと?」

ちょっ・・・ちょっと?

「学校ってこの建物のことか?この建物だけじゃなく、全員どうにかしないとな」

にやっと笑うダーク

「殺すってこと?」

だ・・・だからね。

「少なくとも刃向かってくる奴はな」

ダークの目はサングラスで解らないし、佐藤くんは前髪で隠れてて解らない。でもなんか火花が散ってるよう・・・

「そう、ってことはこの二人は殺すってことだな」

あれ?少し口調が変わったような・・・

「少なくともな」

「少なくとも・・・か。やっぱりここに居る全員殺すかもしれないってことじゃねぇか」

佐藤くんは淡々としゃべりながら、黒い棒を組みたてて行く。やっぱり口調が変わってる

棒が組み立て終わるとクルッと一回転させてる。

「さてと・・・まず俺が相手になってやる、他の奴らに手を出すのは俺を倒してからにしてもらうぜ」

前髪をかきあげながら言う

「ほうっ」

感歎のため息?佐藤くんの目があらわになった。

つり上がった瞳。いつもの口調からしてその瞳と不釣合いかなぁとは思うけど

口調変わっちゃったし・・・

「さっさと外にでな!!ここじゃスペースが狭すぎて、実力がだしきれねぇだろうし」

また表情が険しくなる。

「お前なら出しきれるって感じだな。それじゃ」

「まぁ俺の場合、室内の方が射影物があってやりやすいといえばやりやすいんだけど・・・

あくまで戦い方は・・・だから、一般人がこれだけいると、守りながらってのは厄介だし、

どうだろうなぁ」

困ったような困らないような顔をして話す佐藤くん

「だったら・・・」

片手を挙げ、呪文を詠唱し始めるダーク。

「だからここぶっこわすんじゃねぇよ」

挙げた片手をつかんで下げる。教室の端と端に居たのに・・・しかもそのまま張り倒せばいいのに

「・・・わかった」

つぶやいてトンっと床を蹴って軽く後ろにジャンプ。そのまますうっと消える

それを見てガラっと窓を開ける佐藤くん

「ちょっと・・・?」

「んっ?」

「窓を開けてどうするの?」

当然の疑問

「どうって、外に出るんだけど?」

と右足を窓わくにかけて飛び出す。

クラス全員が悲鳴を上げる。ばらばらに佐藤くんの名前を呼ぶ

私は窓へ走りよって見る・・・が心配をよそに、佐藤くんは軽く着地していた。上空にはダーク

「さっさと降りて来いよ」

上空に居るダークに呼びかける佐藤くん。あんた何者・・・

「魔力はここでも使えるんでね」

その言葉に反応して佐藤くんは走り出す。

地がせり上がりうねりを上げる。ものすごいスピードで佐藤くんを追う

彼はそれと同じ速度で四方八方へ駆けて行く。普通の人間の速度じゃない

「だったら」

うねりから次ぎは角が生えてくる・・・一体どうゆう魔法なんだか・・・

それを軽々とよける佐藤くん。持っていた棒をクルクル回転させてダークに一番近い部分に

生えた角を駆け登って行く

でも駆け登るような緩やかなものじゃないのよ。針って言った方が正しいって感じのもの

それを駆け登って行くのだからもう常識超えてる。って私達の存在事体人間には非常識なんだよね

で、駆け登って何をしたかって言うと、ダークより上に飛び上がり、棒を振り下ろす。

ダークは魔力で防御壁を作ってそれを軽くあしらう。

それの反動を利用して大きく後ろへ飛ぶ佐藤くん

土の針(角っていうより解りやすいし、こっちにしよう)の先端に片足で着地

着地ってどうやって着地してるんだろう・・・

「ふん・・・やっぱし本気出さないとダメかな」

棒をクルクル身体の右側で回しながらそうつぶやく佐藤くん。そうするとすうっと表情がなくなった

服の下から何かを出し、それをダークに向かって投げる

ダークは風を起こしそれをなぎ払うが、そのすぐ後に佐藤くんが追尾をかけている

防御が間見合わない。佐藤くんはダークを棒で弾き飛ばす

ダークは弾き飛ばされた先で、ブレーキをかけて空中で止まる。

顔を叩いたらしく、サングラスが割れている

「くっそっ・・・」

顔に手を当てて治療魔法をかけている

そこへまた佐藤くんは接近して、さっき殴った側とは逆の側のわき腹を棒で殴る

下から上に払い上げる恰好で殴った為かなり上空に飛ばされるダーク

なんで魔法界bPか2かって言われてる晃兄でもダークに吹っ飛ばされてたのに

神族候補とはいえ魔力の使い方もわからない人が簡単に傷を負わせる事ができるんだろう・・・

弾き飛ばした後、近くの土の針の上でわき腹を触っている佐藤くん。

何か攻撃くらったのだろうか。

「ぶちころす」

顔を上げて突然魔力を溜め出すダーク

ダークの瞳があらわになる。ダークは佐藤くんそっくりだった

ただ違いは瞳が水色の硝子玉みたいだってこと。

「爆炎(フレイムブロウ)」

大爆発が起こる、炎がこちらにも迫ってくる。私はまた、ポケットから魔法道具(マジックアイテム)をだし

「魔法防御(マジックウォール)」

魔法の壁が出現する・・・出現するけど・・・ああっ。私の身体と同等の大きさしかないんだった(汗)

「魔法拡張(エクステンション)」

後ろから晃兄が魔法をかけてくれる。

「大丈夫なの?」

「回復した。大丈夫だ」

私の問いに答え魔法に集中する。防御壁は校舎全体を包む

数分が過ぎ煙がおさまる

煙の中から二人が見える。爆発が起こる前と立ち位置が違う

ダークも佐藤くんも同じ位置に怪我をしている。

その怪我を不思議そうに見つめる佐藤くん

そしてクツ底から小さなナイフを取り出して自分の手首を傷つける

な・・・何してるの・・・?

「やっぱりそうか、一発もお前の方から攻撃受けてないのに俺の方に痛みが来るからおかしいな

 って思ってたんだけど、どうやらお前にやったダメージみんな俺の方にも来るようになってるらしいなっ

 ってことは、俺が死ねばお前も死ぬんじゃないか?」

無表情でそんなこと言ってるとすごく怖いんですけど・・・

そこへ、さすがにジッとしてられなくなったのか、先生が出てくる

「何やってるの、貴方達。この針みたいなのも貴方達?」

ちょっとオドオドしてますよ。先生・・・どこに何が隠されてるか解らないって言った感じかな

魔法壁がじゃましてさほど前には出れないでいる

「なっ何かあるわ」

驚いてる驚いてる。とにかくこの中は危険よりまし程度かもしれないけど・・・中に入ってて下さい

佐藤くんはというと、そんなことはお構いなしで、ダークから目を離さないでいる

「てっとりばやくここの奴らを救うには俺が死ねばいいってことかな?ダークさんとやら」

「俺が死ねばだと?大体、お前が死んだからといって俺が死ぬとは・・・」

「十中八九当たってるはずだ。それに俺は日頃から覚悟は出来てるし」

そういって、今度は袖からダガーをだし、自分の首筋に当てる。

「だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!」

上空から声がしたと思ったら、佐藤くんの所から土煙が起きる

土の針の先端に乗ってたのに落ちたようだ

「だめだめ、そんな事したら敵の思う壺よ!!ダークも!!さっきこの人が言ったことは本当よ!

 この人倒しちゃったら、自分も倒れちゃうんだよ。神族倒すには確実でしょ?」

土煙が納まってくる。金髪の短い髪に両腕に肘までのリストバンド、両側にスリットの入った着物

のような服、胸にはガードを着けている、額に赤いヘアバンド。背中には羽根が生えている

その子が佐藤くんを押し倒す恰好で、胸倉をつかんでいる

「こいつが神族・・・いや、そんなことよりこいつと共倒れって事は元の世界に戻れないじゃ・・・

 あ、いや、それよりお前誰なんだよ」

なにやらダークは混乱しているようである

「あ、私は」

身体が光だし、形が変わる。変身でもしていたよう

「スティルネス・・・スティルネス=ランスロープ、解るでしょ?」

今度の姿は金髪の長い髪。端だけ少し先端がカールしている。

羽が消えて、服も短めのスパッツとスタンドカラーでノースリーブのシャツに変わっている

「お前・・・」

「一応ね、これでも貴方の世界の神族なのよ。でもこれを見過ごすわけに行かないから出てきちゃった。

同族を・・・そして、生き物がいる世界を乗っ取ろうなんて、許されないからね」

神族ってこの世界だけじゃなかったようである。晃兄も知らなかったようで目を見開いている

「しかも、人を捨て駒にしようなんてね」

「だけど、そいつを殺さないと・・・」

「あの王は偽者よ」

「何?」

「貴方にこの人を倒すように命令した人はまた別の人。外見なんて何とでもなるじゃない?

今の私のように・・・」

といいつつ、また別の姿になる。今度はダークと全く同じ姿

佐藤くんといえば、今だに胸倉掴まれたままである。表情変えないからどう考えてるのか解らないけど

スティルネスさんとやら、突然佐藤くんを掴んでいた手を離してダークのそばへテレポート

「魔法障壁(スペルディフェンス)」

魔法壁を作ったかと思ったらその壁にあたって何かが弾ける

「リ・・・リクアル?」

ダークが呼ぶ。

そのリクアルと呼ばれた人は、どうやらすぐに逃げたらしくって、あたりを見回してみたけど見えなかった

「・・・で?どうするの」

冷ややかな目で見ている佐藤くん

「俺が言ったこと当たってたみたいだし・・・さっきの続き行くか?」

片手のダガーをスイッとダークに向ける

「だめーーーー!だめだめだめーーー!!!」

ダークと佐藤くんの間に立ちはだかるスティルネスさん

「わかった・・・」

小さくつぶやき、スッと消えていく。

「とりあえず、危機は去ったみたいだな」

と、ダガーをしまいながら、くるりと校舎に向かう

「あ・・・ちょっと」

「んっ?」

帰ろうとしている佐藤くんを呼びとめるスティルネスさん

「どうしてそんな姿してるの?」

「学生だからだろ」

「そうじゃなくて・・・」

話をしている二人の元に、晃兄と共に降りて行く

「やはり、その方が神族なんですか?」

晃兄がスティルネスさんに聞く

「そう、この世界の守護神の一族の人よ。でもなんでこんな姿してるの?」

問われている意味がわからない

「あなたの世界には学校というのはないのですか?」

「いえ、そういう意味じゃなくって・・・こういうのが趣味なの?だったら別に言うことじゃないんだけど」

なんなんだろう

「ああっ。そう言うことか」

何やらスティルネスさんが問う意味がわかったらしい佐藤くん

「この姿は修行の一環だ。それよりこの騒ぎの後始末をしないと・・・」

修行って何の?

「後始末なら心配ないよ。皆を眠らせて記憶を書き変えるから」

さらっと言ってのけるスティルネスさん

「ちょっと待ってください。記憶を書き換えるってそんなに簡単に言わないで下さいよ。

まぁそれしか方法はないのかもしれませんけど」

焦ってる、それは、記憶を書き換える魔法がどれだけ大変かということである。

聞いた話でしかないんだけど、記憶を書き換えたい相手のいる空間を魔方陣でつつみ

置きかえる記憶の内容を書いた紙を右手に持ち、身振り手振りを用いて呪文を詠唱するというもの

・・・もっとややこしかったようなきがするけど、詠唱が結構長いらしく、詠唱している間に

対象の人物が魔方陣から出て行ったりとかしちゃうんだって。

しかも、魔方陣が大きければ大きいほど魔力を吸い取られるから、晃兄でも半径10mが限度かな

(それでも大きい気がするけど)

しかも、人の記憶を書き換えるのって禁忌魔法なのよね。だから手続きとかもややこしいの。

女王陛下や、重役なんか色々な人に許可もらったりなんかするの。手続き怠って記憶を操作すると

まず、間違いなく魔法警察(マジカルポリス)に追われてヘタすると暗殺されるかもしれないわね

晃兄は、こういう事体が予想されるからということで、事前に許可は取ってあるらしいけど

「ん?大丈夫だよ」

といって右手を高々と上げると、瞳が青く光る。

手の平に魔法球を作り上げるとそれを天高く放り投げ、放り投げた球は弾けてシャワーのように降り注ぐ

「さ、これで皆の記憶は変わったわ、今のうちにさっさと撤退しましょう。」

にっこりと微笑むスティルネスさん。・・・詠唱呪文なしで、身振り手振りなしで、さもたいしたことなさそうにしている

やっぱり神族と晃兄達では、魔力の桁がちがいすぎるといったところかしら

「・・・なんだか知らんが、荷物を取って来る」

ぴょんっと跳ね上がって、二階の窓から入っていく・・・って、えっ?二階?

そしてまた窓から出てくる。

「ほれっ」

私の鞄も取って来てくれたみたいだ。鞄をほってよこした。

「じゃぁな、また何日かしたら戻って・・・」

「ちょっと、あなたも私達と来るのよ」

っと腕をつかむ私

「なんで、俺がお前達と行かなきゃいけないんだ?」

「ちゃんとした説明は、後からしてあげるわ。あなただって、私達があなたのこと神族って呼んでる意味とか

知りたいでしょ?」

「別にどうでもいいけど・・・わかったよ。行けばいいんだろ」

本当にどうでもよさそうに答える

かくして、私と晃兄とスティルネスさんと佐藤くんは、晃兄の魔法で女王陛下にいただいた家へと

帰還したのでありました。

★あとがき★

す・・・すみません。やっぱり文章ヘタです(今更言わなくっても解ってるけど(^-^;)
長いこと書かないと前の文章忘れてるし・・・(笑)
まだまだ続きます。だいたい最後はお決まりだとか思われてるでしょうけど・・・
こいつら好きなんですよぉ。僕
だから、まだまだ書くつもりです。どうかどヘタな僕に付き合ってください。
そんで、こんな僕を上達させてやろうという心優しい方
感想下さい。ここの漢字間違ってるぞ!とか、この文は使い方違うぞ!とか
教えてくださるとうれしいです。もっともっとがんばりま〜す!!

感想・苦情・お問い合わせはここまでお寄せ下さい。

BACKページへ  NEXTページへ